いちばん
そういう意味不明な毎日はすぐに終わった。

あたしが過ごしていた毎日を、今は那奈が過ごしている。



今日だって、学校へ行く途中、海斗と那奈が二人乗りする自転車に追い越された。

昼休みには、那奈が学校を出て行くのを時々見掛ける。



そしてあたしは気付いてしまったんだ。

二人の薬指のペアリングを、携帯にぶら下がる半分このハートを、那奈が海斗のことを「カイくん」と呼ぶことを。



あたしは、那奈が嫌いだ。

でも、たぶんきっと、那奈と海斗に何の関係もなかったら、那奈を気にも止めなかっただろう。これは、たぶん、あれだ。

あれというのは、その………嫉妬心。嫉妬心なのかな…。





寒気がする。





あんなやつに嫉妬?

まず、「あんなやつ」なんて言ってる時点で嫉妬?

悔しいよ。
苦しいよ。

自己嫌悪に押し潰されそうになる。自分の気持ちに押し潰されるなんて、バカだ。
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