オレンジ色の校舎
「そんな顔して。大丈夫、瀬川くんは来るわよ」
びっくりして麻衣の顔を見たら、『遥の顔に書いてある』と余裕の表情。
「なんで来るってわかるの?」
「たっちーに誰が来るか聞いた。んで、瀬川という単語だけインプットしてたわけ」
「うわぁ…ありがとう麻衣ぃ」
やったぁ。瀬川くんも来るんだ。そう知った瞬間、胸がいっぱいになった。
「オシャレしてくるんだよ?」
「そそそんな気合い入れないよ。普段と変わらない格好で来るっ」
「とか言って、ドレスとか着て来ないでよ?」
そう言ってクスクス笑う麻衣だった。
──そして、24日──
「あ、こっちこっちー」
あたしは、遠くで手招きをする麻衣へ向かって走っていた。