オレンジ色の校舎
「遥ったら遅い。もう10分過ぎたじゃん」
「ご、ごめんねっ。いろいろ準備してたら、こんな時間に…」
「まったく。ほら、急ぐよ。みんな来てるってメール来たからさ」
あたしは大きく頷き、麻衣の隣に並んだ。そして麻衣の格好をチェックした。
巻き髪がよく似合い、あたしには似合わない大人っぽい格好。それにほのかに香る香水の匂い。
「麻衣、いい匂いだね?」
「あ、気づいたんだ?あたしも好きなの、コレ」
「麻衣にピッタリの香水だねっ」
「ありがとう。そうだ、あと1コあるから遥にもあげる。今度持ってくるね」
「いいのっ?ありがとっ」
麻衣に香水をもらう約束をして浮かれていると、
「あ、ココだよ」
麻衣が看板を指差した。看板には『さくら花』と書かれていた。ココでクリスマスパーティーか。