オレンジ色の校舎
「次、遥じゃね?」
一馬くんが早く引きに行けよと合図をした。そして席を立ち上がって行こうとした瞬間、
ぐいっ
「俺、遥の隣狙ってっから」
いつもよりちょっと低めに話す一馬くんの声に、ドキッとしてしまった。
「んなな何…言って…」
「うっそ。早く引けよ」
う…嘘だなんて。一馬くんにドキッとしちゃったあたしの時間、返してっての!
「浅井、くじはココから…」
「ふんっだ!」
一馬くんへの怒りで須田ちゃんの呼びかけを遮ってくじを引いた。
『32』
すぐさま黒板を見ると、真ん中よりで窓際の近くだった。まぁ後ろだしいい席…
「おっ。俺、38だ」
すると、背後で一馬くんの声がした。ハッと黒板を見た。
『38』は、あたしの隣の席だった。