オレンジ色の校舎
「うわ、俺たち隣じゃん」
「う、嘘ぉ…」
ポケーッと黒板を見つめるが、数字が変わることは決してない。ボーッとするあたしに『机と椅子移動するぞ』と一馬くんが言った。
「遥どうだった?後ろの方?」
机を移動しようとしたあたしに、麻衣が話しかけた。
「ううん。真ん中より後ろの窓際近く」
「よかったじゃん、前列じゃなくて」
「そうなんだけど…」
言葉に詰まるあたしを見て、麻衣はどうした?と顔色を伺った。
席的には全然構わない。だけど、隣人がなんかなぁ。一馬くんはいい人なんだけど、ドキッとしちゃう時があるんだよね。
あたしは瀬川くんが好きなはずなのに…って、瀬川くんは!?瀬川くんの席は一体…!?
「おぉ浅井!席どこになった?」
するとタイミング良く、瀬川くんから声を掛けられた。