オレンジ色の校舎





「浅井、ココの席どう?先生から当てられやすい席だった?」



「い…いや。そんなには…」



「っしゃ!じゃあ、授業に寝ても大丈夫だな」



ガッツポーズをする瀬川くんがちょっぴり可愛く見えた。



「ほら、早く席移動しなよー!」



賑わうクラスメートを相手に須田ちゃんが叫ぶ。あたし達は慌てて席を移動した。



「うわぁ…黒板が遠くなったー」



「それに、須田ちゃんも遠く感じられて嬉しいよ」



一瞬、須田ちゃんの鋭い視線が一馬くんをとらえた。その視線に気づいた一馬くんは身震い。



そして、元・あたしの席に座っている瀬川くんを見てみた。瀬川くんはそわそわしつつも、隣の席のコと話していた。



あ…あのコって確か…バレンタインで瀬川くんにチョコ渡しに来たコだ。






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