オレンジ色の校舎





昨年は隣のクラスだったけど、今年は同じクラスになったんだ。名前は…橋本さんだったような気がする。



あの、小柄で可愛らしい橋本さんが隣なんだ。そりゃ、瀬川くんもそわそわしちゃうよね。



「…い。おい遥、聞いてるか?」



「へ!?」



「聞いてんのかって言ってんの」



「あ、ご…ごめん。ちょっと考え事してて…」



「どうせ朱希のことだろ?」



その言葉に、あたしは大きく目を見開いて一馬くんを見た。一馬くんは少しだけ口元を緩める。



「……な…なんで…」



「あ、やっぱり図星だった?」



「ず…図星も何も…」



「見てればわかる。もしかして、気づかれてないとでも思ってたのか?」



嘘…嘘ぉ……



一馬くんに、あたしが瀬川くんが好きなことバレちゃってたの!?






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