オレンジ色の校舎
「せ…瀬川くんには…気づかれてるかな?」
「朱希は気づいてないんじゃね?鈍感だし」
「よ、よかったぁ…」
一馬くんには知られたけど、張本人の瀬川くんには知られてなくてホッとした。
「だけど遥は、アタックしないで見つめてるだけだよな?」
「そ…それは、せ…瀬川くんに迷惑掛けたくなくて」
「そんなんじゃ気持ち、伝わんねーぞ?」
「い…いいのっ」
別に…いいの。…いや、良くはないんだけど。
瀬川くんにあたしの気持ちがバレちゃったら、あたしは確実に…避けられちゃうと思う。
まだ好きとか思ってんのかよ、とか未練がましい、とか。
そんなのは、いや。それより、今のままの関係の方がいいもん。