オレンジ色の校舎





ピシャリ閉まったドアが、一馬くんが去ったことを告げた瞬間、あたしは気が抜けた。



なっ…な…何なの今のは!!また…また瀬川くん以外の人にドキッとしちゃったよ。



な…なんで…こんなにたくさんドキドキさせるのよ。か…一馬くんのあほ!



慌てて、パタパタと赤くなっているであろう顔に風を送る。すると麻衣と目が合った。



麻衣がニヤニヤしながら、手であたしにハートマークを作った。そのマークを見て、あたしは思いっきり首を横に振った。



『まったまたぁ』



口パクで冷やかしてくる。た…だから違うんだってぇ!ため息をついて顔を上げると、今度は瀬川くんと目が合った。



すると、麻衣と同じようなリアクションで、あたしにハートマークを作って『?』を頭に浮かべる。



あたしは再び、ちぎれちゃいそうなくらい首が横に振った。



な、なんで瀬川くんにまでぇ!






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