オレンジ色の校舎
渋々と自習道具を引き出す。てゆうか、瀬川くんに誤解されちゃってるよね?
うん…絶対誤解されてるよぉ。いや、やめてよぉ。あたしは一馬くんなんか…
「ただいまー」
すると、頭の上からあの声が聞こえてきた。ハッと顔を上げると、大きなゲンコツを頭の上にくっつけた一馬くんが席に着いていた。
「い…痛そうだね?」
「あんの鬼ー。本気で叩きやがって」
「ま、まぁまぁ…」
でも、確かに痛そうだぁ。須田ちゃん本当に怒ってたんだね。
「で?」
「ん?……何?」
「さっき言っただろ?遥の恋バナ聞かせてなって」
そ…そういえばそうだったかな?瀬川くんと麻衣に誤解されたことしか頭になかったよぉ。