オレンジ色の校舎
「どうした、朱希?」
「あのさ、この問題がわかんねーんだけど聞いていいか?橋本に聞いたけど、わからないらしくて」
橋本さんを見ると、くるっとした目でこちらを見ていた。
「お前も真面目に勉強するんだな?」
「当たり前だろー?キャプテンのプライドっ」
「何だそれ」
「……てゆうのは嘘で、もうすぐ地区大会なんだ。最近部活三昧で勉強してないからやんなきゃなって思ってさ」
しっかり両立しようとする瀬川くんはやっぱりカッコ良かった。あたしも頑張んなきゃ。
「じゃあさ…」
と一馬くんが口を開いた。
「俺じゃなくて、遥に聞いてみたら?」
「え?」
「確か今、その問題を遥が解いてたからさ。なぁ、遥」
ニヤッとしてあたしを見る一馬くん。な、な、何言ってんの!?