オレンジ色の校舎
「あの…たっちー」
「ん?」
「その…中学の時のことは、みんなに言わないでほしいの。瀬川くん…その事が耳に入ったら嫌だろうし…」
「大丈夫!朱希にも『他の奴には言うな』って言われたから。なんだか似た者同士だねっ」
そう言って、みんなの輪に入っていったたっちー。
「よかったじゃん。瀬川くんと似た者同士で」
麻衣がニヤニヤしながらあたしを見た。あたしは火照る顔を隠す。
「で…でも、たっちー本当にあたしと瀬川くんのこと…言わないよね?」
「言わないでしょ。アイツ中学の時から案外いい奴だから」
麻衣が笑ってコップを手にした。ちなみに、麻衣とたっちーは同じ中学出身だ。
「ほら、食べよ!瀬川くんがいなくて寂しいだろうけど、来たからには楽しもうよ」
そう言って、目の前にあった大きなイチゴを頬張った。
それから、麻衣と競り合うように食事をした。もちろん、クラスのコとも話をしてガールズトークに花を咲かせた。