オレンジ色の校舎
でも、好きな人の話は憂鬱。自分の話をしたくないから。
「あたし3組の安山くんといい感じなの!応援よろしく♪じゃー次は遥ちゃんの話!」
「あ…あたっ…あたし!?」
「そっ。好きな人いないの?」
嫌でも来てしまう順番。あたしはチラッと麻衣を見て答えた。
「い…今はいないかなぁ」
「いないの?本当にー?」
「あはは…。い…今は恋はいいかなって感じ」
「えーっ!!今だからこそ恋しなきゃーっ!!」
確かに、今だから恋をするはずなんだ。だけど…恋をしていても人には話せない。
もし、広まって瀬川くんの耳に入ってまた…瀬川くんに嫌われちゃうのは嫌だ。
「じゃあー過去の話とか…」
「ご…ごめん。ちょっと気分が悪いから外に行ってくるね。きっと食べ過ぎちゃったんだと思う」