オレンジ色の校舎
「もー遥ちゃんったら食いしん坊だねっ。…じゃあ次いこっか!」
みんなの盛り上がる雰囲気を背後にあたしは部屋を出た。すると、麻衣に呼び止められた。
「ちょ…遥、大丈夫?恋愛トークだったし…」
「大丈夫大丈夫。本当に食べ過ぎちゃって…。その話は関係ないから」
「あたしも行くよ」
「いいよっ。これからみんなゲームもするし麻衣は楽しまなきゃ。あたしはすぐ帰ってくるよっ」
「本当に?」
あたしは大きく頷いて麻衣に手を振り、店の外に出た。
「さ…むっ」
やっぱり12月なだけあって寒いなぁ。あたしは首に巻いたマフラーを握りしめた。
恋バナはもうしたくない。この恋心は、あたしの胸の中だけにしまっておけばいいんだ。
そう言えば瀬川くんまだ来てなかった。もしかして来ないのかな?
…クリスマスイブに瀬川くんと会えるの、楽しみだったんだけど。そして、ふぅっとため息をついた時だった。