オレンジ色の校舎

「何？遠慮でもしてんの？」



「そんなんじゃないけど…」



「じゃあ、正々堂々と勝負すればいいじゃん。自分も朱希が…好きってさ」



正々堂々…か。でも、消極的なあたしにはそんな度胸は…



「ずっと朱希のこと追っかけてんだろ？だったらそれくらいの根性あるだろ？」



「う…うん」



「そりゃあ朱希はモテるから、ライバルもたくさんいるだろうな。だけど、みんなアタックするんだよ」



「……うん」



「ほら、そんな顔してっと、朱希がお前の気持ちに振り向くことは絶対ねーぞ」



嫌だ、と首を振るあたし。そんなあたしの頭を叩いて『頑張れよ、バカ』と呟いた一馬くん。



「バカは余計だよ？」



「仕方ねーじゃん。俺より頭悪いんだから」



……確かに学年トップのあなたに敵わない…それは事実ですけど。