オレンジ色の校舎
でも…なんだか心が落ち着いてきた。一馬くんのおかげかな?
「一馬くん、ありがとう」
「遥からお礼とか…明日雪でも降るのか?」
「感謝の気持ちくらい、素直に受け止めてよねっ」
一馬くんとこうやって帰るの、久しぶりだなぁ。あの雨の日は…なんだかドキドキしちゃったけど。
「ねぇ、一馬くんは好きな人いないの?」
「……てか、遥の話は終わったのかよ」
「そ。あたしの話は解決したっ。で、どうなの?一馬くんの恋バナ聞いたことないよね?」
「俺の話聞いても楽しくない」
「聞き手には楽しみなのっ」
一馬くんから話すのダルいオーラが出ている。あたしだって、さっき励ましてもらったお礼がしたいのにな。