オレンジ色の校舎

「あたしの片想いのことをバカにしたくせに、自分だって長い片想いじゃーん」



「……何のことだか」



知らない、とでもいうように首を傾げる誰かさん。ふ…ふざけないでよね。



「その人は一馬くんのこと知ってるの？」



「さぁ、どーだろ。一言二言しか話したことはないから。すれ違っても気づかない感じだったし」



「じゃあ、一馬くんの一方通行の恋だったんだね」



「…サラッと傷つくこと言うな」



「ね、告白はしたのっ？」



「出来るわけねーじゃん。…この俺が」



「……確かにね」



『納得するな』と軽いゲンコツを食らわせた一馬くんだった。



「でも…地味に必死だったな。好きな奴の視界に自分が入れるように、模試で上位に入るために勉強したり…とか」



だから今、こーんなに頭がいいのかな？