オレンジ色の校舎
7.動き出すココロたち
「おはようっ」
挨拶を交わす生徒達のこの光景はいつもと変わらない日常。あたしも教室に入った。
「浅井、おはよう!」
今日はラッキーな日になるのかな?朝から瀬川くんに挨拶されてしまった。
「お…おは…おはようっ」
「昨日はありがとうな!せっかくの休みだったのに。つまんなくなかったか?」
「ぜ…全然っ。し…試合に誘ってもらえてよかったよ。バ…バレーの試合を間近で見れたし」
「そっかー?俺もたくさん観客がいてよかったよ。浅井や他にも誘っちゃったし」
『あたしも誘われたんだーっ』
昨日の楓ちゃんの言葉を思い出した。あれ…本当だったんだ。
「浅井も健真みたいに大きな声を出してもよかったのに!」
「た…たっちーは素晴らしい応援団と思うっ」
「応援団?あっはははっ、浅井面白いなー」
あたしの精一杯の応答にお腹を抱えて笑う瀬川くん。