オレンジ色の校舎
「健真が聞いたらきっと喜ぶな!応援団だーって」
「そ…そうだねっ」
ダメだダメだぁ…。瀬川くんのこんな笑顔見たらあたし自身がもたないよぉ。
上手く話も出来ないし、まず、恥ずかしすぎて瀬川くんの顔すら見れないし。
「……浅井?なんだか沈んだ表情してるし、やっぱり試合観戦…嫌だったか?」
「そそそそんなことないっ。ありがたいっ。ベリーサンキュー!」
「…ベ、ベリーサンキュー?ふははっ、やっぱりそういう面白いとこ変わってないなっ」
中学の時に、瀬川くんと会話をしたことはあまりなかった。緊張しすぎて…何も出来なくて…
だから、なんで瀬川くんから…今の言葉が出てきたのか不思議だった。
「あ…ほら!ク、クラスの奴が言ってたんだよっ。浅井は反応が面白いってな」
無駄に頭をかきながら言う瀬川くんがおかしかった。