オレンジ色の校舎
「あれ?…もしかして、浅井?」
顔をあげるとそこには、部活帰りという格好のエナメルを背負った息を切らした瀬川くんがいた。
「やっぱり浅井だ!どーしたんだよ、外に出ちゃって」
「あ…その…少しだけ具合が良くなくて外の空気を…って」
「大丈夫かよ?熱とか?」
「あ…いや、その…ちょっと食べ過ぎちゃって…」
「マジ?食べ過ぎで具合悪いって浅井ウケるっ」
そう言って、ケラケラ笑う瀬川くんが可愛く見えた。…きゅん。ほらね、まだ好きだって自覚しちゃうよ。
「みんなは来てる?」
「うん。い…今からゲームも始まると思うから、は…早く行った方がいいかと…」
「そうだな。ありがとうなっ」
ニコッと笑ってあたしの横を通り過ぎた瀬川くん。あたしのドキドキは鳴りやまなかった。