オレンジ色の校舎





「やっかいなのがライバルになっちゃったねー」



「うん…」



「ライバル……か」



空を見上げる麻衣の横顔は、なんだかスッキリしない表情をしていた。



「麻衣…大丈夫?」



「何よー、イキナリ」



「何かあったの?」



「何もないよ?」



「たっちーのこと?」



「…………昨日の帰り、たっちーがあたしの目の前で告白された」



同じ学校のコにね、と付け加えた麻衣。たっちーが…告白された?



「たっちーったらあたふたしてて…だけど顔真っ赤にしちゃって。好きなのかな、そのコのこと」



そんなわけない、たっちーの好きな人は…と言おうとしたけどあたしは言わなかった。



これはあたしが助言することじゃない。あたしが伝えたら、喜びが減っちゃうかもしれないじゃん?






< 172 / 574 >

この作品をシェア

pagetop