オレンジ色の校舎
「やっかいなのがライバルになっちゃったねー」
「うん…」
「ライバル……か」
空を見上げる麻衣の横顔は、なんだかスッキリしない表情をしていた。
「麻衣…大丈夫?」
「何よー、イキナリ」
「何かあったの?」
「何もないよ?」
「たっちーのこと?」
「…………昨日の帰り、たっちーがあたしの目の前で告白された」
同じ学校のコにね、と付け加えた麻衣。たっちーが…告白された?
「たっちーったらあたふたしてて…だけど顔真っ赤にしちゃって。好きなのかな、そのコのこと」
そんなわけない、たっちーの好きな人は…と言おうとしたけどあたしは言わなかった。
これはあたしが助言することじゃない。あたしが伝えたら、喜びが減っちゃうかもしれないじゃん?