オレンジ色の校舎





「須田ちゃんが昼休みに職員室へ来い、だってさ」



「へ?あの…話ってそれだけ?」



「他に何があんだよ」



あ…あたしはこの話を聞くためにあんなに恥ずかしい思いをして、瀬川くんに話しかけたってわけ?



「よかっただろ?朱希と話せて」



「……た、確かに…悪くはないけど。でもそんなことのために…」



「応援してんだから喜べっての」



ぶっきらぼうに言う一馬くん。これが一馬くんなりの優しさなのかなと思うと、心が温まった。



「……ありがとうね、一馬くん」



「お礼は倍返しで」



……いつもの一馬くんだ。やっぱりさっきの言葉は取り消しでお願いします。



─────…



「で、どうすんだ?浅井」



昼休み、あたしは須田ちゃんの元へ足を運び、職員室にいた。



「進路、もう決定しなきゃな」



あたしは小さく頷いた。






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