オレンジ色の校舎
「…なぁ、浅井はまだそこにいるのか?」
お店の中に入ったと思っていた瀬川くんの声が聞こえた。あたしは慌ててコクコク頷いた。
「じゃー、俺も居よっかな」
「へっ?」
「走って来たから中の温度暑いだろうし。だから外で体温冷やそっかな」
白い息を吐きながら、瀬川くんは話す。それって瀬川くんと一緒にいることになっちゃうんだよね?
「浅井、いい?」
「へ…う、うん。でもみんな瀬川くんの登場を待ってるんじゃ…」
「大丈夫っ。すっげー遅くなるって伝えてあるから」
大丈夫…なのかな?あたしが一緒にいて迷惑じゃないかな?でも、1人で外にいたいかもしれないよね?
「せ…瀬川くん。じゃあ…あたし中に入るね?」
「え?」
「せ…瀬川くん、部活で疲れてるしそれに1人がいいよね?」
あまり話さないあたしと、2人でなんかいたくないハズ。それに、もし誰かに見られていたら…。
「浅井、何言ってんの?」
「…は、はい?」