オレンジ色の校舎
「あれ、浅井?浅井もココに用事だったの?」
「あ…う、うん」
「俺も。今朝、須田ちゃんに言われちゃってなー」
さりげなく髪を触る瀬川くんに当たる太陽が、いい感じに輝いていた。
「ココ座りなよ」
瀬川くんの隣の空席を指され、あたしはドキドキする心臓を抑えながら、おずおずと近づいた。
そして、やはり隣に座れるわけがなく、さりげなく1つ席を開けて隣に座った。空席にはさっきの資料を置いてみた。
「………き、緊張しちゃうので、1つ…開けるね」
瀬川くんのことは嫌いじゃないんだよ、ということを伝えるために言った。すると…
「ふはははっ。毎回毎回そんなに気ぃ遣うなよー」
大丈夫だって、と笑いながら近くにあった資料に目を通した瀬川くん。
「せ、瀬川くん…あの実は…」
ぐるるるるる。
……もぅ、超タイミング悪いよ、あたしのお腹ぁ!