オレンジ色の校舎





「浅井…俺、爆笑しそうなんだけどいい?」



そう言った瀬川くんは、あたしの返事も聞かずに大笑いしだした。あたしはあたふたしてしまう。



「せ…瀬川く…」



「わ、悪い悪いっ。あんまりにも面白くって…で、何言いかけてたっけ?」



「…お、お腹が空いてるから、ココでご飯食べてもいいかな…と」



「別にいいよ。俺しかいないし、誰にもチクんないし」



あたしは深々と頭を下げ、いそいそとお弁当を出した。



「今日は永納と食わねーの?」



「あ…あたし、須田ちゃんに呼ばれてて、麻衣に迷惑掛けたくなかったから…それに進路も考えたくて…」



「そっか。じゃ、俺も一緒に食っていい?」



「へっ?」



瀬川くんを見ると、片手で自分のお弁当を揺らす瀬川くん。あたしはどうぞ、と呟いた。



……考えていることは同じだったみたいだ。






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