オレンジ色の校舎





「また、みんなで行こうな!」



ご飯を頬張りながら笑う瀬川くんは、子供のように見えた。そしてお昼ご飯を済ませた後、それぞれ資料を見始めた。



あたしもじっくりK大の資料とにらめっこをする。K大は設備も良いし、勉強の環境も良い。だけど…県外なんだ。



「浅井、K大に行くの?」



…びっくりした。横に瀬川くんの顔があったから。



「か…考え中で…」



「実は、俺もK大考えてたよ」



「そうなの?」



「まーな。けど最近、N大の方がいいなって思い出してさ」



瀬川くんは考えていたんだ。部活が忙しかったにも関わらず、しっかり進路を考えていたんだ。



「だけど、ちょーっとヤバイんだよな。頭が足りなくて…評定とかがな」



真剣に悩む瀬川くんの横顔を見ると胸が痛んだ。






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