オレンジ色の校舎





「せ…がわくんなら…大丈夫。べ…勉強も頑張れば間に合うと思うし、だから、N大目指したほうがいいよ」



そんな瀬川くんを見て、思わず言ってしまった言葉だった。な…に言ってんのあたし。あたしは慌てて俯いた。



「ご…ごめんっ。あ、あたし超無神経…」



「いや、そう言ってくれて嬉しいよっ。ありがとうな!浅井………俺、N大…頑張ってみるよ!」



瀬川くんは力強く呟き、優しくあたしを見た。あたしは右左に目を泳がせて、K大の資料に目をやった。



「浅井もK大頑張ってみたら?」



N大の資料を閉じ、K大の資料を覗き込みながら聞く瀬川くん。



「だ…だけど県外なんだよね。仕送りとかもあるし大変…」



「この選択は今しか出来ないんだよ。今、この道を選ばなかったら浅井はきっと…後悔するんじゃない?」






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