オレンジ色の校舎
「1人で外なんて寂しいだろ?それにまだ具合悪いんだろ?もっと外の空気を吸うべきだぞ!」
どうして…瀬川くんはこんなに優しいんだろう。こんなに気遣ってくれるんだろう。
「…それと、久しぶりに2人で話したいじゃん?」
一瞬にして頭の中は、中学3年生の時に戻った。瀬川くんの隣を歩けた些細な幸せが蘇ってくる。
特に話題もなく、瀬川くんの気配を感じながら歩いていたあたしがいたんだ。
「…浅井?あそこのベンチにでも座るか?」
瀬川くんが指差した場所には、ちょっぴり古びたベンチが。あたしは瀬川くんの背中を追い座った。
「おっ、星だぞ!浅井、星がキレイだぞー」
星を見上げて言う瀬川くんを、あたしはこっそり盗み見した。こうゆうところ…可愛いんだよなぁ。
「なぁ浅井、質問してもいい?」
「ど…どうぞ」
「ありがと。あの…元気か?」
あたしはキョトンとした。だって意外すぎる質問だったから。あたしは精一杯縦に首を振った。