オレンジ色の校舎
8.夏の日の滲む夕焼け
「……は、遥」
「ん、何?」
「や、やったよ」
夏休み開始まであと1週間って頃の朝。麻衣が顔を赤くしながらあたしの元へやってきた。
「何がやったの?」
「…彼女、になっちゃった」
一瞬にして脳裏には、笑顔のたっちーの顔が浮かび上がった。たっちー…可哀想に。
「だっだだだだだ誰の!?」
あぁ…たっちー、儚き恋心…
「……たっちーの」
へ?
「う……嘘ぉ?」
「こ、んなことを嘘つく奴がいるかっての」
さっきよりさらに顔が赤くなる麻衣。麻衣がたっちーの彼女?嘘…嘘嘘ぉ!超嬉しいんだけどっ!
「なんで?なんでそんな展開になっちゃってるの!?」
「昨日の放課後、いつもみたいに勉強してて、それでなんか言い合いになって…」
「え?言い合い?え!?」