オレンジ色の校舎
「まぁまぁ、そんなに遥をいじめないでよ」
そう言った麻衣を見て、一気に真っ赤になったたっちー。本当だ、真っ赤のたっちー面白いや。
「な、永納、お、おは…」
「ねぇ、噛みすぎじゃない?」
「そう言うお前も顔赤いから」
あの、お互い様ですよ?あたしは2人のやり取りを見てクスクス笑った。
「永納と健真、うまくいったみたいだな」
すると頭の上から、誰かの声が降り注いだ。……瀬川くんだ。
「よ…予想以上の展開の早さにびっくりしちゃったよ」
「俺も。まぁ健真の奴、近々告るとは言ってたけどなー」
「そうなの?」
あの進路室での出来事があってからも、あたしは瀬川くんと普通に接している。
あの涙のことには触れないでいてくれる瀬川くんは、本当に優しいね。