オレンジ色の校舎
1.クリスマスイブの奇跡
朝、学校に来ると窓の外を見つめてしまうのがあたしの習慣。理由は、好きな人の登校姿を見れるから。
眠たそうに欠伸をしながら校舎に向かう。その姿を見るのが好きなんだ。
「あ、来たっ」
数十分経過して君の姿を発見。あたしの胸はドキドキの活動が開始した。
「遥(ハルカ)ったら、また瀬川くんを見つめてるじゃん」
背後から声が聞こえて振り返ると友達の麻衣(マイ)がいた。
「う、うるさいっ」
「飽きないのね。毎日毎日瀬川くんを見つめて」
ふぁっと欠伸をしながら長い髪をなびかす麻衣。
飽きるわけないよ。だって、瀬川くんのこと、好きなんだもん。変態かもしれないけど、見つめるのだって楽しいもん。