オレンジ色の校舎
「そっか。…よかった」
ニコッと笑ってくれた瀬川くんだけど、どこか切なそうに見えた。
「せせせ…瀬川くん…は…元気ですか?」
同じ質問をしたからかな?瀬川くんはキョトンとした。だけどすぐに口を開いた。
「げ、元気だよっ。同じ質問してくるなんてびっくりした」
「あ…はは」
「それに、なんで敬語?」
「いや、その…」
「タメなんだし普通に話そうよ。ほら…中学の時みたいに、さ」
そう、中学の時…あたしと瀬川くんは今よりは会話をしていた。
本当些細な会話だったけど、少なくともあたしにとっては2時間ぶっ通しで長電話をしている気分だった。
「って言っても、あんまり話さなかったけどな」
うんうん。本当、瀬川くんの言う通りなんだよね。
「…だけど、もし浅井がよかったらなんだけどさ…」
ドキドキドキドキ。さっきまでとは違う瀬川くんの目から、逃げられず高鳴る胸。な…何を言われるの、あたし?