オレンジ色の校舎
それにあの日、瀬川くんから英語を教えてくれてありがとう、とメールが来ていた。
だけどあたしは返さなかった。楓ちゃんの彼氏になっていたら…と考えたら言葉が浮かばなかった。それっきり何も連絡はない。
でも、今日2人は来るだろうな。あたし、いつも通りに接することが出来るかな?
「うー…嫌だぁ」
麻衣に了解、と返事を打ってカーテンを開けた。あたしの心とは裏腹に笑っている太陽。
「あれ?花火って…浴衣?」
ふとそんなことを思ったと同時にケータイの着信音が鳴った。
『遥おはよう。あたしだけど』
電話の主は麻衣だった。
「どうしたの?たった今、返事返したのに?」
『言い忘れてたことがあって。今日は浴衣着ようね』
……え。