オレンジ色の校舎
「ほら、お昼作ってあるから食べて」
「あ、お母さん。今日の夕方6時からクラスで花火するんだけど」
「浴衣着ていくんでしょ?いつ、この浴衣の出番が来るのか心配してたのよ」
と浴衣を指差しながらお母さんは言った。お母さん…心配してたんだ。
「課題は終わってるのよね?」
「う、うん」
「5時になったらお母さんのところに来なさい。着付けするわ♪」
ありがとう、と伝えて昼食を食べに向かった。お昼過ぎ、風鈴の音を感じながら夏を惜しむあたしがいた。
そして、いつの間にか着付けをしてもらう時間になっていた。
「お母さん…ちょ…キツい」
「もぅっ、あんたこの夏で太ったんじゃない?」
「き、気にしてること言わないでよーっ」
「はい、前向いて」