オレンジ色の校舎
「よし、出来たわ。結構手間がかかっちゃったけど」
「ううん。ありがとう!」
「いいえ。さぁ、いってらっ…」
「は、遥っ!?」
「お…お父さん」
家を出ようとした時に、まさかのお父さんが帰ってきた。
「遥、お前浴衣なんか着てどこに行くんだ?今日は花火大会があったか?なぁ遥…」
「うるさいわね。遥は急いでるのよ」
お父さんの質問攻撃をストレートに返すお母さん。
「か、母さんには聞いてな…」
「あーもう、うるさいわね。遥は今から好きな人に会いに行くのよっ。余計な口出しはしないで」
「す…好きな人!?」
お父さんは目が飛び出そうなくらいに目を丸くした。
「ち、ちょ…お母さんあたしそんなこと一言も言ってな…」
「いってらっしゃーい、遥!」
用意をしていた荷物持たされ、背中を押され、家から追い出されたあたし。