オレンジ色の校舎





「遥、あたしがあげた香水つけてるね?」



「うん。く…臭かったかな?」



「全然。適度な香りでいいよ。瀬川くんもイチコロじゃない?」



「まままままさかっ」



カランコロン。夏の終わりを少しずつ漂わせる2人の下駄の音が響く。



「夏も……終わりだね」



ゆっくりとした時間があたし達を包み、夏の寂しさを漂わせた。



「おわーーー!!」



花火大会会場に着くと、一目散にたっちーが飛んできた。



「な、な、ながっ…永納…」



「……何よ」



「めっちゃ可愛い!」



「…………イ、イキナリ何」



綺麗な麻衣なのに、真っ赤になって可愛いなぁ。見てるこっちも赤くなっちゃうよ。



「たっちー、よかったね。こんな麻衣が見れて」



「あぁ!浴衣サイコー!ま、麻衣サイコー!」



「か…勝手に名前で呼ばないで」



熱い。熱いですよ、2人さん。






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