オレンジ色の校舎





「おっす、浅井!」



ポンッと肩を叩かれて瀬川くんから呼ばれた。触れた肩が熱い。



「ちゃんと課題終わったかー?」



「お…終わったよ。せ…瀬川くんは終わったの?」



「実は国語があと少し終わってねーんだけど、秘密な!」



人差し指を立てて内緒、とイタズラな笑みを溢した瀬川くん。その笑顔はズルい。



「浴衣姿の浅井って、イメージ違うな」



「あ…う…そうかも。あたし浴衣似合わないし…」



着てくるんじゃなかった…と後悔して、ため息をついたと時、



「浴衣とかどうしたんだよ、遥」



一馬くんから茶化しが入った。もうっ、瀬川くんとの会話を邪魔してっ。



「き…気分転換に着てみたのっ」



「ふーん。ま、似合ってるよ」



へ?






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