オレンジ色の校舎





だって、楓ちゃんは瀬川くんに告白をして…それで…ダメだ。変な妄想ばっかり浮かんじゃう。



「あのさ、遥ちゃん」



「ん?」



光と火花を散らす花火見つめながら、楓ちゃんの言葉を待った。



「遥ちゃんは、朱希くんのどこが好きなの?」



「えっ?」



「何でもいいの。だから答えてくれる?」



そ…そんなこと急に言われても。あたしはあたふたしながら、目を泳がせた。



「う…上手く言えないけど…」



「ううん、大丈夫」



「だ…誰にでも優し過ぎるとこ」



瀬川くんは、みんなに優しいから惹かれた。気づいたら輝いているから眩しかった。



「瀬川くんの…優しいところが好きなの?」



「うん。他にもたくさんあるけど一番の理由はそれ…かな」



言った後に顔が熱くなった。自分の気持ちを言葉にすることはとてもドキドキしちゃうね。



「でもさ、それって…同情だったりして?」



だけど、あたしのドキドキは一瞬にして消え去った。






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