オレンジ色の校舎
「どうして!?」
「楓ちゃんも知っての通りだよ。フラれたのに…告白なんて…」
「そんなの関係ないじゃん。だからもう一度…」
「い、いいのっ!」
楓ちゃんの前で初めて大声を出した。幸い、周りのクラスメートは花火に夢中で気づかない。
「もう瀬川くんを…傷つけたくないから」
自分にとっての言い訳かもしれない。だけど、瀬川くんが傷つく姿はもう見たくないよ。
「それじゃあ…遥ちゃんの気持ちはどうなるの?」
「……永遠に封印でいいの」
この想いは永遠に胸の中に秘めるんだ。あたしが瀬川くん以外に恋をしても。
「遥ちゃん、バカでしょ?」
「そうかもしれない」
2人で笑い合って、再び花火を手にして光をつけた。しばらくお互い無言で花火を見つめていた。
「やっぱり遥ちゃんは一歩踏み出すべきだ。あたしのライバルとして!」
別れ際に楓ちゃんに言われた。あたしが最後の言葉に笑ったら、軽く頭を叩かれた。