オレンジ色の校舎





ふぅっと心を落ち着かせながら、再び空を見上げた時だった。



ヴーヴー



ポケットの中に入れていたケータイのバイブがなった。あたしは瀬川くんに『ごめん』と一言置き、ケータイを開いた。



─────────
From:永納麻衣

今、見に来たけど
瀬川くんと2人きり、
やったね!
邪魔者は退散します☆

遥の心臓が落ち着き
次第帰ってきなよ♪
─────────



麻衣からのメールだった。ええええっ!!この内容的に…今のこの状況を見られてたってことじゃん。



近くまで来ていたなら声、かけてほしかったよ。



「浅井、どうかした?」



瀬川くんが不思議そうに聞いてきた。



「な…なんでもないっす」



見られたら大変!あたしはサッとポケットにケータイをしまった。



「…浅井、待って」



だけど、瀬川くんにケータイをしまう手を止められ、あたしの胸は飛び跳ねた。






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