オレンジ色の校舎
「麻衣、いってらっしゃい」
「でも遥はどうすんの?1人で花火ってキツくない?」
「あたしは大丈夫っ。他の女子の所に行くから」
そして、2人きりにさせることになった。麻衣の隣を歩くたっちーの足が軽々しい。…可愛い奴め。
小さくため息を溢したと同時に、視界に小さく一馬くんが目に入ったのを見逃さなかった。
仕方ない。一馬くんに話し相手になってもら…
「浅井遥!」
…おうとした時、誰かに名前を呼ばれた。
肩をポンッと叩かれて振り向くと…一馬くんではなく、瀬川くんがいた。
「永納は一緒じゃないの?」
「ま…麻衣はたっちーと2人で花火中」
「あー。だからさっき健真ウカれてたのか」
たっちーらしい。麻衣を好きっていうオーラが出ていて…高3男子とは思えないよ。