オレンジ色の校舎
「な、何を?」
「ん?まだわからないの?瀬川くんがずっと遥を好きだってこと。まぁ夏休みよりまだ前に聞いたんだけど」
「えっ?」
「でも、あんた達なっかなか進展しないから、見てるこっちは何度イライラしたことか。もう強制的にくっつけようかと思ったわよ」
ちょっと待って。麻衣はあたしと瀬川くんの両方の気持ちを知ってたわけ?
「もうじれったすぎて嫌だった」
「ね、ねぇたっちーも知ってたの?」
「俺?俺が知るわけないじゃん!まぁ、朱希の気持ちはなんとなく気づいてたけど、浅井は…カズが好きだと思ってたし」
「か、一馬くん!?」
「ったくたっちー、あんたはもうちょっと周りを観察しなよ」
ため息混じりに言う麻衣。あたしは苦笑した。
「…うっせーよ。俺は永納だけ観察出来ればいいんだよっ」
「あたし変態は嫌いだから」
「そ、そんなこと言うなよっ。男は誰だって変態なんだぞっ」
「そこ、反論するところじゃなくない?」
たっちーって麻衣の前や麻衣の話を出すと、いつものキャラと変わるんだよね。