オレンジ色の校舎
たっちーに麻衣を好きなんでしょ?と聞いた時の驚きながらの赤い顔、いつか麻衣に話そう。何も言わずに支えてくれた麻衣に。
「遥、おめでとう」
こうやって、優しい言葉をくれる親友だからこそ、あたしの心は温かくなるんだ。
もう瀬川くんに告白されることはないと思ってた。瀬川くんから告白されることはないと思ってた。
瀬川くんの隣を歩ける日が来るとは思ってもいなかった。
瀬川くん…嬉しすぎるよ。瀬川くんの彼女になれて嬉しいよ。
嫌われていなくてよかった。お互い同じ気持ちでいてくれてよかった。
─────…ずっと、瀬川くんを好きでいてよかった。
「よかったな、遥」
一馬くんがニヤッと笑いながらあたしの元へ来た。あたしは小さくピースサインをした。
「てか、お前らじれったすぎ」
「そ、んなことないけど…」
「ま、そんなお前らだから、今に至るんだろーけどな」
嬉しくて嬉しくて、あたしは涙を浮かべながら、瀬川くんと須田ちゃんの姿を見つめていた。