オレンジ色の校舎
「お……はよう」
「昨日は花火楽しかったな!」
目の前にキラキラ笑う瀬川くん。や、やばい。これじゃ会話が続かないよ。
「てゆうか健真の奴、あんなに騒いで何してんだよー?」
だけど、瀬川くんはたっちーの元へ向かった。
……たっちーに負けた気分。
「あっ、朱希ーっ!聞いてくれよぉーっ」
瀬川くんに、麻衣からのボディタッチの喜びを伝えるたっちー。
「あんなボディタッチとか…大したことじゃないのに」
「…たっちーは嬉しいんだよ」
「はぁ?あれだけで?」
あたしの前の席に座り、頬杖をついてため息を吐く麻衣。
「ななっ?ドキューンだろ!?」
「はいはい、そうだな。ドキューンだな」
仔犬のようなたっちーに、棒読みで返す瀬川くんが大人に見えた。
「遥、ニヤけすぎ」
「ニ、ニヤけてないっ。元々だもん。…それよりさ、麻衣…」
「ん?どうした?」