オレンジ色の校舎
「よし、じゃあみんなんとこ行こっか?長く付き合わせちゃってごめんな」
「う…ううん。あ…あたしこそ」
「全然。久々で楽しかった!」
ねぇ…その言葉反則だよ。瀬川くんは何も思ってないけど、あたしはドキドキしちゃうんだよ。
あたしは瀬川くんの笑顔を焼きつけながら、お店の中へ入った。
「はーるか。さっきまでの時間のことを話してもらおうか?」
部屋に戻ったあたしの元へ、ササッと近づいてきた麻衣。
「さ、さっきまでって…」
「決まってんじゃん。瀬川くんとの時間よ。何かあった?」
「べ…別に何も…」
「何もなくて、あんなに長く一緒にいるわけないじゃない。さ、吐きな」
麻衣はあたしに疑いの目を向けてくる。
「…中学の時はごめんって言われて、でも友達になった。それでメアド聞かれて…交換した」
「友達?アド交換?遥、やったじゃん」
麻衣がよしよしとあたしの頭を撫でてきた。
「これでメール出来るじゃん。友達だし普通に話せるね」