オレンジ色の校舎





「よし、じゃあみんなんとこ行こっか?長く付き合わせちゃってごめんな」



「う…ううん。あ…あたしこそ」



「全然。久々で楽しかった!」



ねぇ…その言葉反則だよ。瀬川くんは何も思ってないけど、あたしはドキドキしちゃうんだよ。



あたしは瀬川くんの笑顔を焼きつけながら、お店の中へ入った。



「はーるか。さっきまでの時間のことを話してもらおうか?」



部屋に戻ったあたしの元へ、ササッと近づいてきた麻衣。



「さ、さっきまでって…」



「決まってんじゃん。瀬川くんとの時間よ。何かあった?」



「べ…別に何も…」



「何もなくて、あんなに長く一緒にいるわけないじゃない。さ、吐きな」



麻衣はあたしに疑いの目を向けてくる。



「…中学の時はごめんって言われて、でも友達になった。それでメアド聞かれて…交換した」



「友達?アド交換?遥、やったじゃん」



麻衣がよしよしとあたしの頭を撫でてきた。



「これでメール出来るじゃん。友達だし普通に話せるね」






< 27 / 574 >

この作品をシェア

pagetop