オレンジ色の校舎
そして、始業式が終わり下校時間になった。
「遥、瀬川くんと帰るの?」
「しーっ!こ…声が大きいよ、麻衣っ」
「隠すようなことじゃないし、別にいいじゃない?」
「よ…良くないっ。……それに、瀬川くんとは帰る約束してない…もん」
「そうなの?」
意外、という顔をする麻衣。あたしはさっきの言葉が聞かれていないかと、そわそわしてしまう。
「そ…それにあたし…進路のことで須田ちゃんに話があるし、どっちにしろ瀬川くんとは…」
「なーんだ残念。せっかく4人でラブリーに行こうと思ったのに」
4人ってことは、たっちーも入ってるんだよね?たっちー喜ぶだろうなぁ。
「ご…ごめんね」
「いいよ。遥の進路の邪魔はできないもん。仕方ないから、3人でラブリーに行くよ」
『間に合ったら来てね』と残して教室を出ていった麻衣。