オレンジ色の校舎
やっぱり、麻衣には何でもお見通しだったみたい。
『遥が幸せだと、あたしも幸せな気持ちになれるよ』
電話を切る前に、麻衣があたしに言った言葉だった。あのね麻衣、あたしも同じ気持ちになったよ。
麻衣がたっちーと言い合ってる姿を見ると、微笑ましくなって幸せな気持ちになれるんだ。
─────…
麻衣と電話を終えた後もあたしの胸の高鳴りは止まなかった。
瀬川くんの優しさが心地よくて、涙までも溢れでてくる。
カレカノになってからまだ1日なのに、こんなにも幸せを感じちゃっていいのかな?
「……瀬川くん…瀬川くーん」
部屋にあるぬいぐるみをぎゅぎゅーっと抱きしめて、ベッドに転がったあたし。
ぬいぐるみの叫び声はあたしに届かなかったのであった。