オレンジ色の校舎
「どうしたの?…2人とも同じ顔してるけど」
だが、たっちーは気づいていない様子。仕方なく同じ気持ちだった麻衣が代弁した。
「……あんた、漢字違うよ」
黒板の『絶体』という漢字を指差して、厳しい口調で教えた麻衣。
「へ?……NO─────!!」
たっちーは慌てて黒板へ走って訂正し始めた。クラスメートは大爆笑。…あぁ、みんな気づいていたんだね。可哀想なたっちー。
「はぁ…あーんなのが彼氏とか…あり得ない」
「何言ってんの。それがあり得てるじゃん」
「そぉーよねー。あれがあたしの彼氏なんだよねー」
呆れているのか、麻衣のたっちーをとらえる目は、たっちーを哀れんでいるように見えた。
……どんまい、麻衣。