オレンジ色の校舎
「……だってよ、彼氏くん」
ニヤニヤしながら麻衣が瀬川くんの肩を叩く。瀬川くんは頬はほんのり赤くなった。
「た…楽しみにしとけ……よ」
ぶっきらぼうに言って、そそくさとその場を離れた瀬川くん。そんなにここ暑かったかな?
「瀬川くんって案外純情だね。あたし、あれ言ってないのに」
「へっ?何が?」
「いや、何でもない。ほら整列するよ」
麻衣の意味深な言葉が気に障ったが、須田ちゃんの早く並べよ視線が痛かったため、おとなしく整列した。
「おい朱希ー!」
「んだよ、健真」
「見て見てっ。俺、ハチマキにこれ書いたん…」
「立花ぁ、早く整列しろ!」
前方の方でひときわ目立つたっちーの声に須田ちゃんが反応し、ゲンコツを食らったたっちー。
麻衣は小さくため息をついた。