オレンジ色の校舎





「……だってよ、彼氏くん」



ニヤニヤしながら麻衣が瀬川くんの肩を叩く。瀬川くんは頬はほんのり赤くなった。



「た…楽しみにしとけ……よ」



ぶっきらぼうに言って、そそくさとその場を離れた瀬川くん。そんなにここ暑かったかな?



「瀬川くんって案外純情だね。あたし、あれ言ってないのに」



「へっ?何が?」



「いや、何でもない。ほら整列するよ」



麻衣の意味深な言葉が気に障ったが、須田ちゃんの早く並べよ視線が痛かったため、おとなしく整列した。



「おい朱希ー!」



「んだよ、健真」



「見て見てっ。俺、ハチマキにこれ書いたん…」



「立花ぁ、早く整列しろ!」



前方の方でひときわ目立つたっちーの声に須田ちゃんが反応し、ゲンコツを食らったたっちー。



麻衣は小さくため息をついた。






< 287 / 574 >

この作品をシェア

pagetop