オレンジ色の校舎





そして、行進の足踏みをして全員揃って歩き始めた。高校最後の体育祭が始まった。



「キャー!いけぇっ」



「6組ファイトー!!」



熱いグラウンド、熱い声援、熱い熱い戦い。うん、やっぱり体育祭は熱い。



「あっ、瀬川くん!」



テントの中にいたあたしの隣で、1人の女子が言った。暑さに負けていたあたしはグラウンドに目を向ける。



瀬川くんがハチマキをしながら、他の男子生徒と話していた。その仕草に…きゅんとしてしまうあたし。



「そんなに見るなら隠し撮りすればいいのに」



「そ…それって盗撮だし、瀬川くんは嫌だろうし、それに周りのコに知られたくないし…」



「もー仕方ないな」



あたしの隣にいた麻衣があたしのデジカメを取り上げて、何をするかと思いきや───…パシャリ。






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